ここ数年、5月の北海道でも、普通に25℃を超える日が時々みられます。
地球温暖化の影響なのか、冬が終わったと思ったら、心地良い春を通り越していきなり気温が上がって暑くなるということが多いような気がする北海道民です。
ということで、急に気温が上がるといえば、気をつけたいのが熱中症。
毎年必ず命を落とす方が出る、身近だけど実はちょっと恐ろしい病気です。
そんな熱中症に対し、暑さが本番になる前の時期だからこそ簡単にできる対策があるのです。
それが「暑熱順化(しょねつじゅんか)」です。
暑熱順化(しょねつじゅんか)とは?
暑熱順化とは、ひとことでいうと「身体を少しずつ暑さに慣らすこと」です。
どうして、この暑熱順化が熱中症対策になるのでしょうか?
暑熱順化が熱中症対策となるメカニズム
熱中症は、身体が暑さに耐え切れない=身体にこもった熱をうまく出し切れないことで起こります。
なので、気温が高くなる真夏に熱中症になる人が一番多いわけですが、身体が暑さに慣れていない初夏の時期にも、熱中症になる人がたくさんいるのです。
特に、お年寄りはもともと体温を調節する働きがやや鈍くなっているため、
身体に熱がこもりやすい上に、一度こもった熱をうまく身体の外に出すことができません。
この、「熱をうまく処理する」ために、少しずつ身体を暑さに慣らして
処理できる熱の量を少しずつ増やす必要があるのです。
暑熱順化の具体的な方法
では、この暑熱順化はどのように行えばよいのでしょうか?
具体的なやりかたは、以下のとおりです。
「やや暑い」と感じる環境で「ややきつい」と感じる運動を行う
時間は1日30分程度
期間は1~4週間
「え、これだけ?」という声が聞こえてきそうなほど、簡単ですよね。
そうなんです。これだけなんです。
暑熱順化をムリなく行うためのポイント
ムリをして運動を続けて、夏になる前に熱中症を起こしては意味がありません。
ムリなく暑熱順化を行うためのポイントは、
自分が「やや暑い」、「ややきつい」と感じる運動を行うという点にあります。
なので、どのくらいの運動を行えばムリなく暑熱順化ができるかは、
年齢や体力、運動経験などによって大きな個人差があります。
隣の人よりも運動レベルが低かったとしても、
たとえゆっくりとしたお散歩程度の運動でも、
自分で「やや暑い」、「ややきつい」と感じる運動であればOKなのです。
逆に、「暑い」「きつい」、そして「ツライ」と感じるくらいに強い運動であれば、やりすぎの可能性が高いです。
暑熱順化が順調に進むとどうなるか?
「やや暑い」、「ややきつい」と感じる運動を行うと、
はじめのうちは汗も全然でなくて、顔が真っ赤になって暑くて苦しいということがあるかもしれません。
きつすぎるようであれば運動強度を少し落とす必要があるのですが、
このまま少しずつでも運動を続けていくと、いつのまにか汗をだらだらかけるようになっていたり、先週と同じくらいの運動では疲れない自分に気がつくはずです。
「いつのまにか」というのがミソで、気がついたら暑さに慣れているのです。
これこそが暑熱順化のキモです。
まとめ;夏になる前だからこそできる暑熱順化、今日から早速はじめましょう!
ということで、今年の夏本番を迎える前に、
暑熱順化、今日から早速はじめてみませんか?