突然ですが、ワタクシ、PMSについて長年悩んでました。
毎月気がついたら、胸がものすごく張って痛くて、気分が落ち込んでるんです…
あ、PMSだなって思うんですけど、自分じゃどうにもできなくて…
でも、病院に行くほどではないんです… 生理が始まれば、楽になりますし…
このような症状で苦しんでいる方、ワタシの他にもたくさんいると思います。
一つ一つの症状はささいなことかもしれないけど、毎月のことだけに、辛いですよね。
毎月来るものだし、毎月辛い思いをしているのは確かだけど
- 病院に行くほどは辛くないんだけど…
- 病院に行くのもなんだか怖いし…
と辛い思いを我慢している方のために、PMSについてまとめてみました。
そもそも、PMSとはどんな病気なのか?
1.PMSってどんな病気?
PMSは、日本語で「月経前症候群」といわれている病気です。
月経前症候群の英訳がPremenstrual Syndrome、 この頭文字をとってPMSと呼ばれています。
月経のある女性なら誰でも起こる可能性がありますが 30歳代の女性 に比較的多いとされています。
2.PMSの症状
PMSかどうか、症状をみるときには3つのポイントがあります。
- 症状が出るのは、必ず生理の前
- 症状は、身体的なものの他に精神的なものもある
- 生理が始まったら、症状が楽になる
の3つです 。
PMSの症状には、身体の症状と心の症状があります。
- 身体の症状として、乳房が痛い、お腹が張る、 頭痛、四肢のむくみなど
- 心の症状として、気分の落ち込み 、怒りの爆発 、いら立ち、不安 、混乱、社会からの引きこもり
などがあります。
PMSの症状、どれが一番多いんだろう?
いろいろな症状がでるのがPMSですが、その中でも多いのが
イライラ、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落ち着きがない、憂鬱の順
産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2014より引用
です。
3.PMSのうち、精神的な症状がメインのものはPMDDと呼ばれる
PMSでは、身体的な症状と精神的な症状、 両方が同時に起こることも珍しくありません。
PMSのうち、イライラやうつ状態などの精神症状が強く、 日常生活に支障をきたす状態のことを
月経前不快気分障害 (PMDD;Premenstrual Dysphoric Disorder)
と呼んで区別することがあります。
4・PMSの診断
PMSかな?と思ったら、まずは、婦人科へ行きます。
婦人科では、
- 本当にPMSかどうか
- ほかの病気が隠れていないかどうか
について診察を行います。
例えば
- 生理が始まっても症状が取れない→月経困難症、子宮内膜症など
- 生理と関係なく症状がある→うつ病など
- 生理がもう終わっているのに調子が悪い→更年期など
のように、
本人はPMSだと思っていても全く違う病気だった、
ということがあるためです。
PMSと診断するためには、 生理不順がないことが条件となります。
5.PMSの治療
PMSの治療には、大きく分けて
- 薬を使わない治療(カウンセリングや生活指導)
- 薬を使う治療
があります。
PMSのときに行われる生活指導
❶PMS日記をつける
PMSの治療の基本は、PMS日記をつけること です。
- いつ、どんな症状が出たか
- 基礎体温
を数か月記録していくと、
- 生理の何日くらい前からPMSの症状が出やすいか
- どんな症状が多いか
- いつ症状が治まるか
など、自分のPMSのパターンがわかります。
症状の予想ができると、それだけで不安がなくなりPMSが軽くなる方もいるくらいです。
❷規則正しい生活の徹底
不規則な生活は、PMSの症状を重くする原因となります。
- 起きる時間・寝る時間など生活リズムを一定にすること
- 睡眠時間を確保すること
- 食事に気をつけること(炭水化物、甘い物は食べ過ぎない)
- 定期的に運動を行うこと
- カフェインやタバコはやめること
これらの項目も、PMS日記につけてみると、 例えばタバコを吸った日は症状が重い など、自分に合わない項目がよくわかります。
PMSの治療で使うクスリ
PMSの治療には、症状に合わせていろいろな薬が処方されます。
- 痛み→非ステロイド系鎮痛剤(痛み止め)
- むくみ→利尿剤(おしっこが出るクスリ)
- 症状全般→経口避妊薬(ピル) 身体が「妊娠している」と勘違いして生理が止まるので、PMSも楽になる
- 不安、情緒不安定→抗うつ剤、抗不安剤(精神安定剤)
PMSと漢方薬
あまりキツイ薬はいや…という方には、漢方薬もよく処方されます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
などが、PMSの際に良く用いられる漢方薬です。
全てのPMSに治療が必要というわけではない
症状があっても、治療を希望しない患者さんには薬などの処方は行われません。
PMSになりやすい人がいるって本当ですか?
実は、PMSになりやすい人・なりにくい人というのがあるのをご存知でしょうか?
PMSの症状には、月経周期のホルモンの変動などのほかに、 ストレスや過労など、日常生活から来る要素もかなり関係しています。
性格としては、真面目で頑固、几帳面などのいわゆるA型気質の方はPMSになりやすいとされています。
このほかにも、
- 生活が不規則な人
- 炭水化物や甘いものを多く取っている人
なども、比較的PMSになりやすいようです。
自分で簡単にできるPMSの対処法
1.規則的な生活を送る
PMS対策として最も大切なのが、規則的な生活 です。
- 早寝・早起きして睡眠時間をきちんと取ること
- 3食バランスのよい食生活をすること
- 適度な運動をすること
など、基本的だけどなかなか忙しくてできていない項目を見直してみましょう。
2. 有酸素運動
ウォーキング、軽いジョギング、サイクリングなどの有酸素運動は、PMSの症状を軽くしてくれます。
できれば週3回、1回あたり30~60分、運動時間を確保するとよいでしょう。
3. 禁煙
PMS対策、そして美容と健康のため、 タバコを吸っている方は今すぐ禁煙しましょう!
4.食べ物に気をつける
PMSと食べ物の間には、切っても切れない関係があります。
1 PMS/PMDDに良い食べ物・成分
PMS/PMDDに良い食べ物
- 玄米・豆類;血糖値を緩やかに上昇させる働きがあります。イライラの緩和に役立ちます。
PMS/PMDDに良い成分
- ビタミンB6;セロトニンの合成などに関わるビタミンです。 イライラや気分の変動を和らげるとされています。
- ビタミンE;神経伝達物質の代謝に関与しているとされています。 また利尿作用も期待でき、むくみの緩和に役立ちます。
- カルシウム;イライラや情緒不安定を和らげるとされています。
- マグネシウム;イライラや情緒不安定を和らげるとされています。
- 大豆イソフラボン;女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをするとされています。
- 鉄;女性に多い鉄欠乏性貧血の予防になります。 貧血は、PMS/PMDDを悪化させる原因のひとつです。
2 PMS/PMDDの人は避けたい食べ物・成分
PMSの症状を悪化させる可能性がある食べ物や成分もあります。
PMS/PMDDの人は避けたい食べ物
- スナック菓子;食べ過ぎはビタミン・ミネラルの不足を招きます。
- 精製されていない炭水化物;白米や小麦粉などを大量に摂ると、血糖値の上がり下がりが急になり、イライラの元となります。
- 甘いもの;血糖値の上がり下がりが急になり、イライラの元となります。
- 塩辛いもの;むくみやすくなります。
- 脂っぽいもの;低脂肪食はPMSに効果的とされています。
PMS/PMDDの人は避けたい成分
- カフェイン;興奮作用があり、イライラを助長します。
- アルコール;興奮したり、逆に悲しくなる人も。むくみも助長します。
5.リラックスした生活を送る
PMSの方に一番おススメの対処法、 それは「無理をしない」ことです。
PMSにはストレスをためるのが一番良くありません。
努めて「ゆるい感じで毎日過ごす」ことをおススメします。
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まとめ
PMSは生理前に辛い症状がでる、女性ならでばの病気です。
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