こんにちは!ゆらりんです。
志望校合格に向けて一生懸命勉強している受験生の皆さん。
そして、そんな我が子を温かく見守っている保護者の皆さん。
大学入試に必要なのは、学力だけではありません。
むしろ「戦略」こそが大事!なのです。
※今回お伝えする戦略は、決して楽をして志望校に合格するという小手先のものではありません。
「ラクして」「すぐに」成績を上げる方法が知りたい方の期待に応えることはできません。すみません。
本当の学力を身につけて、自信を持って志望校に合格したい方だけ、この先をお読みください。
大学入試に必要な戦略とは?
大学入試に必要な戦略は、長期的な戦略と短期的な戦略にわかれます。
これらを、具体的に、時系列順に説明していきます。
①志望学部を決める(できれば高校入学~おそくても高1のうちに)
まずは、志望学部を決めます。
志望学部=なりたい自分の姿です。
ときどき「ワタシは学部はどうでもいいから○○大学に行きたい!」といって大学を先に決め、そこから自分の成績で受かりそうな学部を逆算する人がいますが、このやり方はうまくありません。
大学は、入ること自体が目的ではなく、あくまでも人生の通過点です。
あなたが「将来やりたいこと」をやれる人になるための、手段です。
世の中、ここを勘違いしている人が多いな、と感じます。
「東大に入った」「医学部に入った」から素晴らしいのではなく、「東大に入ってやりたいことをできる」「医学部に入ってやりたいことをできる(普通は医師になることですが…)」ことが素晴らしいのです。
大学に入ること自体を目的にしているから、今時のインフルエンサーや若手無職ブロガーがよくいう
「大学なんて行く意味なくない?」
という甘言にだまされるのです。
「大学に行く」「大学を卒業する」ことだけが目的なのであれば、はっきり言って、そんな大学行く意味はないと思います。
大学は、
なりたい自分になるために必要な知識・資格を身につける
ところです。
それを考えると、おのずと志望学部は決まってくるはず。
(家業を継ぐなど、特殊な事情がある場合はこの限りではありません。
ただし、その場合も、自分で納得して家業を継ぐことを決めないと、あとでしっぺ返しが来ます。)
正しく戦略を立てても受験勉強というものは非常に苦しいものですが、
自分で決めた将来の自分になるために
と思えばこそ、辛い時期を乗り越えることができます。
志望学部を正しく決めることができていないと、いくら正しく戦略を立ててもそれにそって勉強ができず、結果、学力が伸びずに入試に失敗します。
※何となく「今は決められないけど、興味のある職業がいくつかある」という場合は、入った後で専攻を決めるタイプの大学・学部への進学をおススメします。
②志望大学を決める(できれば高2のうちに)
志望学部が決まると、ある程度、志望大学の候補が絞られてくると思います。
大学を決めるためにもいくつかの手順や戦略が必要となります。
②-1 オープンキャンパスに行ってみる(高1、高2の夏)
志望学部の決定を高1、遅くとも高2の春くらいまでにやっておくと、夏に開催される各大学のオープンキャンパスに、目的意識を持って行くことができます。
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キャンパスに入って、実際の教室で説明を聞いて、在学生とお話をして…
自分がこの大学に入ったら、どんな大学生活が送れるのか?
ということが、リアルに想像できるでしょうか?
また、その姿に憧れを持つことができますか?
これは、実際に大学に行ってみないと肌感覚として感じることが難しいものです。
また、行ってみて初めて分かりましたが、ホント、同じ経済学部でも、
- 経済史が得意な大学
- 金融工学が得意な大学
など、大学によって全然やっていることが違います。
事前に調べられることもたくさんありますが、実際の模擬講義を受けることができるのもオープンキャンパスのポイントです。
また、現代では留学などのサポートがあることが各大学のアピールポイントになっていますが、そのあたりも大学によって全く制度が異なります。
- 大半の学生が何らかの形で留学することが前提となっている大学も
- よく聞くと学生のうち20%とか、少数の学生のみが対象となる制度をアピールしている大学
など、いろんなパターンがあります。
この辺りは、しっかりと聞く気で聞いていないと聞き逃します。
遠方の大学に行くにはお金も時間もかかりますし、時にはオープンキャンパスの日程が重複することもありますが、保護者と相談し、お金と時間の許す限りいろいろ観に行ってみることをおススメします。
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②-2 志望大学の入試要項を確認する
いくつか志望大学を絞ったら、入試要項を確認してください。
見るべきところはたくさんありますが、
- 入試科目
- 合格最低点・平均点
- 各科目の配点
を見ます。
特にこの「各科目の配点(傾斜配点)」が最も重要です。
偏差値的に少々届かないと思われる大学でも、この傾斜配点によっては十分射程内に入ってくる可能性が高いです。
例えば、理系なのに国語や社会が得意だ、という場合。
- センター試験で、相対的に国語や社会の配点が高い大学
- 理系なのになぜか二次試験に国語がある大学(残念ながら社会はほとんどない)
ところだと、自分の得意を生かせて、偏差値よりも高い大学に合格できます。
逆に、この学部ならこの大学に行きたい、というのが決まっている場合。
早い時期に入試科目や配点を確認しておくと、次の項でも述べる
- 自分が伸ばさなくてはいけない科目・分野
- それをどのくらいのレベルまで伸ばすことが必要か?(今の自分との差)
がハッキリします。
そのうえで、志望大学が決めきれない場合、
可能な限り、レベルの高い大学(偏差値の高い大学)
に志望大学を設定することをおススメします。
教育に関わる人の中には偏差値でモノをいうことを極端に嫌う方も多いですが、私は別に、悪いことだとは思いません。
理由は簡単。
- レベルの高い大学の方が、往々にして研究費や教員などが潤沢であることが多く、学問をする環境が整っていることが多い
- レベルの高い大学の方が、就職などの際に選択肢が格段に多くなる
- 入試直前、高い→低い大学には目標を下げることは可能(良いか悪いかは別)だが、低い→高い大学に切り替えることは困難。
③志望大学に合格するために、今足りないものを知る→模試の有効利用
志望大学を決めたら、ここからはPDCAサイクルを回します。
PDCAサイクルとは、ビジネスの分野でよく知られた業務改善の手法で、
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)
の4つを繰り返すことで、業務の質を上げて生産性を向上するというものです。
これは、ビジネスだけでなく、大学入試をはじめとした資格試験の勉強や、自分の目標達成など、いろいろな場面で自分を一段上のレベルに上げたいときに使える手法です。
大学入試の際の、具体的なPDCAサイクルの回し方はこんな感じです。
PDCAサイクルの中心は、模試を受けることです。
特に高3にもなると、毎月、ひどいときには毎週何らかの模試があります。
数が多すぎて模試を受けるのも嫌になることがあると思いますが、せっかく貴重な時間を割いて模試を受けるのですから、有効に利用しない手はありません。
P(PLAN;計画)
- 自分が伸ばさなくてはいけない科目・分野はどれか?
- それをどのくらいのレベルまで伸ばすことが必要か?(今の自分との差)
を評価し、各科目の目標点数と模試までの勉強計画を設定します。
D(DO;実行)
P(PLAN)に沿って勉強し、模試を受けましょう。
C(CHECK;評価)
結果が返ってきたら、P(PLAN)で設定した目標点との差を確認します。
さらに、
- 目標よりも点数が取れた分野
- 目標よりも点数が取れていない分野
- 前回受けた模試と比べ、伸びているところ/伸び悩んでいるところ
を見つけます。
ここで、志望大学の合格判定をつい見たくなりますが、あまり気にしなくて大丈夫です。
なぜなら、志望大学を受ける人全員が模試を受けているとは限らず、また、それらの人が全力で模試を受けているとも限らないからです。
合格判定に一喜一憂する暇があったら、数学の問題を1問解くか、英単語を1個覚えた方がよいです。
模試はあくまでも、「自分の実力の伸びを確認するための指標」であることを覚えておきましょう。
A(ACT;改善)
C(CHECK)で確認した分野に沿って、
- 点数が取れた/伸びた項目
- 点数が取れなかった/伸びていない項目
について、自分なりに原因を分析します。
これ、点数が取れていない項目については皆さん分析すると思うのですが、ぜひ、点数が伸びている項目についても分析を行ってください。
例えば「前回の模試で点数が取れていなかったので重点的に勉強した」など、理由があって点数が伸びている場合は、自分の立てたP(PLAN)が正しいということになり、今後のPDCAサイクルの精度を高めることに非常に役に立ちます。
「何となく、理由なくたまたま点数が取れちゃった」という場合、もっと伸ばすためにはどうしたらよいかを考えることで、その分野を得意分野にすることが可能となります。
あとは、これの繰り返しです。
ポイントは、伸びていないところだけでなく、伸びているところもきちんと評価することにあります。
ついつい伸びていないところを重点的に勉強したくなりますし、勉強しても成績の伸びがみられないということであれば、勉強のやり方自体がまずい可能性があるので、担任の先生なり教科担任なり予備校の先生なりと相談する必要がありますが、それはだれでもやりますよね。
それと同時に、
伸びている項目をもっと伸ばし、誰にも負けない自信が持てる分野をつくること
が、入試に勝ち抜くためには非常に重要なのです。
ぜひ、自分の良いところにも目を向けて、揺るがない自信を作ってください。
入試で追い詰められたとき、得意分野があなたの心を救ってくれるはずです。
まとめ
今日は、ゆらりん式「大学入試に必要な戦略」についてざっくり説明しました。
これ、大学入試だけじゃなく、人生の目標を達成するときにも使えます。
ぜひ試してみてください。
★ゆらりんが個人的に非常にためになったと感じた本です。
著者の安河内先生は東進ハイスクールの英語の先生です。
実際に数多くの受験生をみてきた経験から編み出された結論
は、非常に説得力があります。