こんにちは!ゆらりんです。
私はもともと、かなり短気なうえに落ち込みやすく、すぐ不安になる、といった性格の持ち主です。
さらに、重度の人見知りで、仕事以外で家族以外の人間と接することに非常に苦痛を感じます。
このため、若いころから人生に「生きにくさ」を感じています。
こんな私のように
- 何となく不安
- どうしたらよいかわからなくなる
- 人が怖い
など、ココロがざわめくことが多い方におススメなのが、今日ご紹介する本
心配事の9割は起こらない: 減らす、手放す、忘れる「禅の教え」
です。
2013年刊行の、少し古い本なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
どんな本?
この本は、禅宗の一派である曹洞宗の寺院の住職である枡野 俊明(ますの しゅんみょう)さんが書いた本です。
枡野さんは、禅僧としての活動のほか、「禅」のココロを伝える手段として、日本庭園デザイナーとしても国内外で幅広く活躍されている方です。
また、一般の人を対象に、「禅」の教えに基づいて世の中を生きやすくする方法をたくさんの著作にまとめています。
この本も、それらの本のうちの1つです。
テーマは「心配事」。
「はじめに」の部分に、枡野さんがこの本で言いたいことが端的にまとめられています。
余 計 な 不 安 や 悩 み を 抱 え な い よ う に 、
他 人 の 価 値 観 に 振 り 回 さ れ な い よ う に 、
無 駄 な も の を そ ぎ 落 と し て 、 限 り な く シ ン プ ル に 生 き る 。
枡野 俊明. 心配事の9割は起こらない―――減らす、手放す、忘れる「禅の教え」 三笠書房 電子書籍 (Kindle の位置No.7-10). . Kindle 版.
サラっと書いてありますが、これが非常に難しい。
この本には、「無駄なものをそぎ落としてシンプルに生きる」ためためのコツが書かれています。
その、「無駄なもの」の一つが心配事です。
具体的な心配事を何とかする方法は書かれていませんが、
ココロのモヤモヤを解消するための、毎日の心構えが書いてあります。
例えば、
“ 妄 想 ” し な い という一節があります。
「 莫 妄 想 」 と い う 禅 語 が あ り ま す 。
そ の 意 味 は 、 「 妄 想 す る こ と な か れ 」 と い う こ と 。
枡野 俊明. 心配事の9割は起こらない―――減らす、手放す、忘れる「禅の教え」 三笠書房 電子書籍 (Kindle の位置No.111-113). . Kindle 版.
心 を 縛 る も の 、 心 に 棲 み つ い て 離 れ な い も の は 、 す べ て 「 妄 想 」 で す 。
「 あ れ が 欲 し い 」 と い う 我 欲 も 、 「 こ れ を 手 放 し た く な い 」 と い う 執 着 も 妄 想 で す 。
他 人 が う ら や ま し い と い う 気 持 ち も 、 自 分 は ダ メ だ と い う 思 い も 、 実 は す べ て 妄 想 な の で す 。
枡野 俊明. 心配事の9割は起こらない―――減らす、手放す、忘れる「禅の教え」 三笠書房 電子書籍 (Kindle の位置No.115-116). . Kindle 版.
妄 想 を 生 み 出 し て い る も っ と も 根 源 に あ る も の は な に か 。
そ れ は 、 も の ご と を 「 対 立 的 」 に と ら え る 考 え 方 で す 。
枡野 俊明. 心配事の9割は起こらない―――減らす、手放す、忘れる「禅の教え」 三笠書房 電子書籍 (Kindle の位置No.123-124). . Kindle 版.
日 本 に お け る 曹 洞 宗 の 開 祖 ・ 道 元 禅 師 も 、 「 他 は 是 れ 吾 に あ ら ず 」 と い っ て い ま す 。
他 人 の し た こ と は 、 自 分 の し た こ と に は な ら な い 、 と 教 え て い ま す 。 他 人 が 努 力 し た こ と で 、 自 分 が 向 上 す る こ と は あ り ま せ ん 。
向 上 す る た め に は 自 分 が 努 力 す る し か な い の で す 。
禅 は ど ん な も の も 、 ど ん な 人 も 、 他 と は 比 べ よ う が な い 「 絶 対 」 の 存 在 と 教 え ま す 。
枡野 俊明. 心配事の9割は起こらない―――減らす、手放す、忘れる「禅の教え」 三笠書房 電子書籍 (Kindle の位置No.134-138). . Kindle 版.
ココロの中でついつい自然に行っている「対立」。
この「対立」を解消する方法について「禅」的に解説されています。
「人と比べて~する」ということをなくすこと、
ひいては人を気にかけずに、自分のなすべきことに集中すること
を心がけていると、自然に心が軽くなる、というのがこの本の教えです。
これ、すごく心当たりがあって、たとえば
- 子どものPTAの行事で学校に行く→周りのママ友と、持ち物やスタイルをつい比べてしまって、自分より高そうなものを持っているママ友を見ると落ち込む
- 幸せそうに歩いている家族連れを見る→我が家にはない「父親の揃った幸せ」像を勝手に見て、落ち込む
なんていうことは日常茶飯事でした。
この本を読んでから、人と比べる、人をうらやむ類の考えが頭に浮かんだときには
「自分」に集中する
ことを覚えたので、少し楽に毎日を送れるようになりました。
この本の良いところ
現代の日本人が抱える「生きにくさ」の原因と解決法を、わかりやすく示しているところが好感できます。
最終的には、全て「禅」の教えに集約するのですが、押しつけがましくなく、宗教というよりは「現代を生きるための昔の知恵」というニュアンスであり、読みやすいです。
文体も、簡単に読めるわりには今時の自己啓発本のように薄っぺらくありません。
どんな人におススメ?
- 日常に何となく「生きにくさ」を感じている人
- ココロを整える方法を知りたい人
に特におススメです。